この写真も多くの写真集で有名な写真である。
Mさんのアルバムのキャプションには「起重機にて壕から九七式中戦車を救出中の状況」とあった。
さて注目してもらいたいのは救出されている九七式中戦車である。
砲塔が普通の物とは違っているのに気づかれたであろうか?
相違点は
1.砲塔左側の機銃用ポールマウント、
2.その横にある展望窓(薬莢排出口?)、
3.装填手用ハッチの開き方が前後に開いている。
「帝国陸海軍の戦闘用車輌」P109にはこの車輌が試製九八式中戦車として掲載してあるが、それはちょっと飛躍しすぎている(^_^;)。
実際の九八式中戦車の砲塔は「日本の戦車」P96にぼんやりとした写真が掲載されているが、このようにキューポラの背が高くない。
まだ戦車砲も装備されていないことから、軍に引き渡す前に三菱でいくつか製作した九七式改の試作砲塔の1つであると思われる。
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